事業承継対策、自社株価格はこうすれば下げられる!?
今回は、自社株価格が下がる要因についてご紹介します。
以前の記事で事業承継においては自社株価格の引き下げが相続税削減につながるとご紹介してきました。本記事はその具体的な方法を解説する記事となります。
「自社株価格ってそもそも何?どうやって求めるの?」という疑問をお持ちの方は一つ前の記事で解説してますので、そちらをご確認の上、再度ご覧ください。
POINT1 自社株価格計算式を理解する
早速ですが、自社株価格の引き下げを考える際には、自社株価格の計算式に着目します。その計算式の項目を調整することで自社株価格を小さくしていくのが引き下げの大まかなポイントです。
計算式詳細は以下記事で説明していますので割愛しますが、価格引き下げにつながる項目は以下です。
- 会社区分
- 利益
- 配当
- 純資産価額
POINT2 項目ごとの引き下げ施策を実行する
A.会社区分
●会社区分を引き上げる
自社株価格の計算は、類似業種比準価額方式、純資産価額方式という2つの計算式で求められる価格に、それぞれ一定の倍率をかけて算出されます。
多くの場合、純資産価額方式で求められる価格の方が類似業種方式より大きいとされます。そのため、会社区分を引き上げ、純資産価額方式の倍率を下げることが自社株価格の引き下げにつながる可能性があります。
具体的な会社区分の変更には、従業員数を増やす、総資産額を増やす、年間取引金額を増やすなどが挙げられます。
B.利益
●年間利益金額を引き下げる
利益、配当、純資産の3要素が株価算定のベースであるため、これらの項目の引き下げが株価を小さくすることにつながります。
利益金額の引き下げには様々な方法がありますが、ここでは代表的な例をいくつか挙げます。
・生命保険の活用
・適正範囲での役員報酬の増額
・オーナー経営者への生前退職金の支給
・高収益部門の別会社化
C.配当
●年間配当金額を引き下げる
利益の項目と同様に、年間の配当金額を下げることが直接的に株価の引き下げに影響します。中小企業の場合、利益金額が少額であるため、配当金額/利益金額の配当性向で見ると大きくなっている場合があります。配当金額の見直しをおすすめします。
また、外部株主がいて配当金額を下げれないという場合は、「会社創立〇〇年記念配当」といった特別配当への処理を行うことで、計算上の配当金額を引き下げることが可能です。
D.純資産
●簿価純資産を引き下げる
純資産の引き下げにつながる代表的な施策は以下の通りです。
・不良債権の処分
・含み損のある不動産の売却
・借入による不動産投資
・含み益の高い鳥を子会社に移す
本記事は制度の概要をわかりやすく解説した記事となっております。より詳細な手続き等につきましては税理士等の専門家にご相談ください。